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2016年入社
マネージャー・税理士トータルソリューション事業部
大学院への進学を考え始めた当時、ちょうど河合塾で税法免除を受けられる大学院の説明会がありました。まずはそこに参加し、どの大学院が税法免除に対応しているのか、また各大学院の特色などの情報収集を行いました。大阪でもいくつか大学院はあるのですが、働きながら大学院に通うことが前提でしたので、会社から通える、大阪経済大学と大阪学院大学の2校を受験しました。
あまり詳しくは覚えていませんが、難しかった記憶があります。大阪経済大学の試験は、裁判例を読んで私見を記載する内容だったと思います。事実や争点、原告や被告の主張、裁判所の判断を読んで、それについて私見を記載する問題です。大学院の入試説明会に参加した際に紹介された、判例集をいくつか読んではいましたが、いざ私見を記載するとなると、慣れていないこともあり、感覚で回答しったように記憶しています。
大阪学院大学では、民法大改正のタイミングだったこともあり、民法に関する問題でした。仕事の中でも触れていたこともあり、比較的悩まずに回答できました。いずれの大学院も筆記試験の後、面接試験もありました。面接試験では筆記試験の内容や、志望理由などを聞かれたと思います。幸いにもいずれの大学院にも合格することができ、授業の開始時間18時30分からと遅かった大阪経済大学に入学することを決めました。
入社4年目から大学院に通い始めました。入社3~4年目にもなると、通常の会計顧問業務だけではなく、新たな分野の業務、また営業などにも携わる機会が増加します。
税理士試験を受験していたころは、仕事が落ち着いたら退勤し、その後に勉強するという流れで、ある程度自分のペースで勉強はできていました。一方大学院では、平日18時30分から授業がスタートするので、それまでに仕事を切り上げないといけない。
もちろん、業務品質を落とさないようにしながら、大学院の方にも時間を割くという、両立は大変だったなと思います。
未決の管理や、スケジュール調整などは鍛えられたような気はします。
1回生の時に卒業に必要な単位はある程度取りたかったので授業は平日週3日プラス土曜日みたいな感じででしたね。
税法の授業では判例を取り扱うことが多く、院生の中から判例報告の担当者が割り当てられます。自分の担当する判例はもちろんのこと、他の院生が報告する判例も、事前に読み込んでおかないと自分の力になりません。それを週に3~4コマの授業でしたので、一週間に判例を3~4つ読むことになります。また判例に対して、租税法の研究をされている方々が、評釈をされている文献を読む時間も含めると、時間の確保が大変でした。
そもそも文献も所蔵されている図書館がばらばらだったりするので、資料を取り寄せたり、図書館に通ったりと、文献を収集するのも一苦労でした。
おかげさまで、判例の読解力は鍛えられたような気はします。
1回生で卒業に必要な単位はほとんど取ることができ、2回生からは論文に集中できました。
残り2科目の試験を受けるのか、論文を書いて2科目が免除になるのか、そこだけの違いかなと思います。どちらがいい悪いということはなく、それぞれに一長一短があるかなと。
税理士試験の勉強をすると生半可な勉強では受からないので忍耐力が培われると思いますが、税理士試験の勉強をしているだけで仕事ができるようにはなりません。
一方の大学院では、租税法とは、というところからアカデミックに学んでいきます。租税法の歴史や、法令ができた趣旨などを学ぶことができるので、営業や提案を考える際に活きていると感じます。各税法の細かな計算などは学ばないので、その点は別途勉強が必要になりますが。
院に行って良かったなと思うのは、判例研究の素地が鍛えられたことです。税務訴訟は結局過去に租税法の制度趣旨に反する租税回避行為等が行われた点に関して、争われたところになるので、課税庁や裁判所がどういうところに着目しているのか、どのような条文解釈を行っているのか、を学べたことは今の仕事に活きているように思います。
判例を読むことに対して抵抗がなくなったことも、良かったことのひとつです。内容によっては膨大な量なので、大学院に通っていなかったら判例を読むことに億劫になっていたかもしれません。
もう一つは、社外の税理士事務所方との交流ができたことです。新卒で当社に入社しましたので、同業他社の方と交流する機会はそれほどありませんでした。大学院では同じ志を持った、様々な年代の方々と交流することができ、社内では経験できない刺激もたくさんもらえました。
今でも大学院で知り合った方々とは交流がありますし、一緒にゴルフに行ったりもします。(笑)そういう意味では自分の今後の人生、税理士人生の中で大きな財産ができましたと思いますね。
税理士の勉強を始めた当時、私は大学院に行って税法免除を目指すのは、やっぱり逃げじゃないか?楽な道を選んでいるのではないか?という気持ちがありましたが、いざ大学院に行くと全然そんなことはなく、とにかく大変なんですよね。また専門学校に通って試験勉強をしていただけではできないような学びや出会いがあった点はとても良かったです。
結局、大学院に行くか、税理士試験を5科目合格するかというのは税理士になるための手段の一つでしかなくて、それ以上の違いは無いと思います。それよりも資格を取ってからどういう仕事をしていくかとか、資格を取ってからどういう勉強をしていくかの方が大事だと思います。繰り返しになりますが、税理士になるのは通過点でその後が大切です。もし当時の私みたいに大学院の税法免除は逃げだとか思われている方がいたら、全然そんなことはないよと伝えたいと思いますね。