財務会計コンサルタントインタビュー

Interview

財務のプロと人事のプロが連携し、医師の行動変容を促す、画期的な経営手法を確立

日本経営ウィル税理士法人
病院財務事業部 チームリーダー
2013年入社

木戸 真実

診療科別原価計算を活かし一層の収益改善を

 かねてから日本経営グループの収益改善チームが取り組みを展開していた某病院で、診療科別原価計算を導入することになった。
病院には、たとえば、CT、MRI、手術室など全体が共有して利用している設備の減価償却費や維持費など、診療科をまたがって発生する費用が無数にあり、その一つひとつに納得感のある按分のルールを設定しなければ、診療科別原価計算の導入は果たせない。そんな難関に敢えて挑もうという病院側の強い意志が、プロジェクト立ち上げの原動力となった。
 これを担当したのが、医業会計のスペシャリストで診療科別原価計算の導入に経験とノウハウを持つ木戸の上司だ。当時まだ入社3年目だった  木戸は、「一緒にやる?」と声をかけられ飛びついた。病院経営の大きな課題である診療科別原価計算の導入を経験し今後の武器にしようと、上司の指導のもと、現場の膨大なヒアリングなどに挑戦。成果を的確に分析・整理して、先方が望まれている「できる限り公正な診療科別原価計算システムの構築」へとつなぎ、ほぼ2年がかかりで無事導入へとこぎつけた。
この成功が木戸に次の展開をもたらしていく。「明らかになった診療科別の収益性を医師の人事考課制度に反映させることで医師の行動変容を促し、一層の収益改善を図れないだろうか」。そんなハイレベルな病院側の要望を受け、木戸は先例なき未知のフィールドに踏み出すこととなった。

上司の信頼を得てゼロからの取り組みに挑戦

 プロジェクトが次の段階に進んだのを機に、上司は木戸に全てを一任することを告げた。
「医師の人事考課制度改革なら、日本経営福岡オフィスの太田次長が適任だ。連携をお願いし、しっかり結果を出しなさい」
 日本経営グループでは、若手に全てを委ね、上司がそれを見守るというOJTが盛んに行われている。社内ではそれを「任して任せず」と称する。つまり、全てを任せるが放置はせず、適宜相談に乗るなどサポートを欠かさない。そのことをよく承知していた木戸は、上司の信頼に応えようと、報・連・相を徹底させる一方、責任を持って自らの判断でプロジェクトを推進していく覚悟を決めた。
 しかし、考えれば考えるほど今度の課題は難しい。定性的な人事と定量的な原価計算を噛み合わせる方法など、最初はイメージすらできず、雲をつかむ思いだった。すぐに太田に連絡すると二つ返事で連携を快諾。議論はまず、専門分野の異なる二人が、互いの専門性を深く理解し合うところから始まった。

ついに結びついた、財務の数字と医師の行動

 太田は、人事コンサルティングに豊富な経験を持つばかりか、MBAスクールに学んで原価計算の基礎知識も身につけていた。経験の浅い木戸にとって、そんな太田に原価計算の分野ですら相対することは容易ではなかった。「でも、原価計算については自分がリードしなければプロジェクトは成立しません。自分で自分を叱咤激励して頑張りました」。
 一方で、人事制度に関する書物も読みあさり、太田に質問を繰り返して、人事観点から見る病院経営への理解も深めていく。やがて議論は深まり、原価計算で出てくる数字の何をキーにすれば、原価計算を人事考課制度に結びつけ経営改善を図れるのかという大問題を、互いの立場から考え抜く段階となった。

 目指すのは、診療科の収益性を高めるための指標となる数字を見つけ出し、それを上げるためには医師の行動がどう変わらなければならないかを、具体的な日々の行動パターンへと落とし込んでいくこと。福岡・大阪間でTV会議を繰り返し、頭が痛くなるほど思考を煮詰めて、ついに木戸がある数字にたどり着いた。
 太田は原価計算のロジックを丹念に木戸から聞き出し、その数字を上げるために必要な現場の行動を事細かく洗い出す。それを会議で現場の医師・看護師たちにはかり、意見を反映させてはPDCAを回して、より納得性の高いものへとブラッシュアップしていった。「定性的な側面の強い人事考課制度も、こうすれば定量的な財務の数字と無理なく結びつきます。人事も財務も、経営にとって重要なポイントは同じ。ただ見方を変えるだけだとわかって、全てが腑に落ちた思いでした」。

高度な連携によって切り拓く病院経営の未来

財務と人事、それぞれのプロフェッショナルがいる日本経営グループだからこそ可能であったこのプロジェクト。木戸を中心にこうして1年余りで原価計算を経営に活かすための画期的な成果を生み出した。顧客からの信頼も深まり、原価計算の精度向上と経営へのさらなる活用に向け、新たな挑戦も始まっている。
 一方、今回開発された手法は広く応用可能で、ノウハウとしての価値も高い。木戸の属する財務コンサルティングチームと、太田の属する人事コンサルティングチームは、その後も連携してこのノウハウを活用。コンサルティングやセミナーなどを通じて、病院経営の改善に成果を挙げている。
 「人々が安定した医療サービスを受け続けるためには病院経営の黒字化が欠かせません。これからも、多様な分野のプロと連携できるグループの強みを活かしつつ、医療機関における経営課題の解決に邁進していきます」。
 財務のプロフェッショナルとして今回、木戸は大きな成果を残した。ますますの快進撃が期待される。

多様な分野のプロと共に高みを目指せます

日本経営グループの社員には、自分の専門知識やスキルはお客様の悩みを解決するためのツールに過ぎず、人としてお客様の悩みに寄り添いそれを解決できてこそプロフェッショナルだという、強い想いがあります。だからこそ、必要となれば多様な分野のプロフェッショナルがフットワーク軽く集結し、お客様のためにスクラムを組めるのです。一つの分野を極め、各分野のプロフェッショナルと共に社会に貢献する仕事がしてみたいと思うのであれば、ここは最適な職場です。

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